平成22年度事業計画
●年度方針
グローバル競争において、我が国GDPの相対的な地位並びに産業の国際競争力は年々低下している。20世紀末以降、脱工業化社会から観光立国など、日本の将来像は揺れ動いてきたが、いかなる時代にあっても、競争力の基盤は科学技術を中心とした総合的な日本の文明の力にあることは言うまでもない。
日本が備える「文明の力量」の中核には科学技術力があるとみて、当フォーラムではこれまで基礎科学技術の振興、産学官の連携、科学技術人材の育成を3本柱に啓発活動を行ってきた。平成22年度もそれらの路線を継承しながら、地域科学技術振興並びに人材育成のための活動を行う方針である。
●事業計画
1 基礎科学の振興活動
(1)第3専門部会地震前兆現象調査研究専門部会
平成22年度は、広く社会から、大地震発生の前に認知された異常現象の情報を収集する「宏観異常情報収集サーバー」の運用を開始する。集まった情報を大地震の発生データと照合、分析して地震とのかかわりについて解析する基礎的な実験を始める。このため、産学官連携し、市民からの通報協力体制を整えるとともに、動物園、水族館などに所属する専門家からの異常情報を集めるためのネットワークづくりを計画する。
また、ことし秋には国際高等研究所、SEMS研究会と協力して今秋、京都府下において、地震学者、地震予知研究専門家による地震予知研究シンポジウムを開催する予定。
(2)21世紀のエネルギーと環境問題を啓発する活動
地球環境の改善と、そのためのエネルギー戦略について、市民意識の高揚を図り、我が国の歩むべき道を考える機会とするエネルギー講演会を今秋実施する予定。これまで4年間、原子力エネルギーのあり方と我が国の原子力プラントメーカーのグローバル戦略などについて講演会を実施してきた。平成22年度は水素、自然エネルギーを含めてエネルギー全般ついて議論を深める講演会を企画して、関連学会、団体と協力して取り組む。
(3)産学連携による新しい高等教育の実施
大学・経済人会議は平成19年に中間報告を行ったあと、産学連携による高等教育の実践活動へ移行している。7年前に大阪大学の要請を受けて開始し、5年前から正規科目になった先端教養科目「関西は今~関西経済界のリーダーたちとの対話~」を平成22年度も第一セメスターに実施する。また、新規に要請があった「ビジネス界のリーダーたちとのディベート~ICTと社会~」を第二セメスターに実施する。これはICTを経営改善にうまく活用した事例等を内容とした少人数を対象としたゼミ形式の講座である。(この項、(5)IT百撰フォーラム委員会との連携)。このほか、平成21年度後半に、大阪大学から寄附講座運営の協力依頼があり、平成22年度に協議を行う予定である。
大学コンソーシアム大阪に対しては「大阪産業論」と「大阪食文化論」の2科目の寄附講座を提供する。
(4)先端科学のメガコンペティションにうち勝つための活動
生命科学領域で近年注目されている遺伝子工学、ティッシュエンジニアリング、バイオサイエンス研究などと、その産業化の面で、関西が保有する強みや障害要因の解明などの調査を引き続き行い、提言と世論形成のための活動を行う。
また、生命科学、医療産業化などの領域で啓発シンポジウムの企画立案の準備をする。
そのほか、水資源、水環境などについても、適宜、時宜を得た特色のある啓発活動の可能性を調査する。
(5)ITCイノベーションの推進啓発活動
関西IT百撰フォーラム委員会を事務局として「第2回関西IT百撰表彰事業」を積極的に行うほか、大阪大学からの要請に応えて平成22年度第二セメスターに開講する新講座の実施に協力する。共催は非営利法人CAE懇話会、協力は非営利法人IT百撰アドバイザー・クラブである。IT百撰表彰が通算10回目となるため講演会等の実施を計画する。
(6)イノベーション創出推進活動
関西におけるイノベーションを促進するため、実態の把握と振興のための戦略についてさらに調査研究する予定。事務局機能は、今年度も大阪科学技術センターの協力を得て取り組む。
2 情報交換、連携活動
(1)科学技術の新しい芽を考える異分野交流懇話会
発明、新技術、ビジネスモデルなど、さまざまなニュートレンドの講演と工場見学などを行う会合を年2、3回実施する予定。
(2)中央省庁幹部の科学技術政策講演会
中央省庁の政策幹部を招いて、各省の科学技術政策、方針、計画等について講演を聞き、あわせて中央省庁との連携を深める会合を年2、3回実施する予定。
3 科学技術系人材を育てる活動
(1)高校生(高校教諭)のためのサイエンス講演会(出前講演会)
理科離れを食いとめ、将来の日本を担う理系人材を育成することを目的に、高等学校へ講師を派遣して専門領域の講演を行う出前講演会を開く。年5、6回実施する予定。
(2)青少年のための科学の祭典2010サイエンスフェスタ
高校、大学の理科クラブの有志が参加し、科学実験や展示を行うことによって、理科に対する関心を深め、科学の知識を啓発することを目的に開催している。平成22年度は8月末の土日、日本物理教育学会近畿支部などと共催する。また今年度も関西サイエンス・フォーラム理科奨励賞を5機関へ贈る。
このほか春、秋には理科実験を野外で行う行事を日本物理教育学会近畿支部などと協力して実施する。
4 会員の増強
本年度も引き続き会員増強に務める。
5 科学に関する広報活動
(1)ニューズレターの発行
平成22年度は、年4回程度ニューズレターを発行する予定。会員のほか関係方面へ広報する。
(2)自治体、団体、マスコミなどとの連携活動
当フォーラムの活動目的にあったテーマについて、適宜状況に応じて、外部機関と連携協力しながら実施する。
以上